はじめに:この記事で伝えたいこと

私は「野田工房」として活動し、生成AIをフル活用して8か月間でフリーソフト100本公開を達成しました。
本記事では、
- なぜこれまで個別説明ページを作らなかったのか
- なぜ今回から作るようになったのか
- 実際に作って得られた効果
について、フリーソフト開発者の視点から解説します。
「フリーソフトを公開したい」「SEOを強化したい」「ユーザーにわかりやすい説明を書きたい」
――そんな方に役立つヒントになるはずです。
なぜ個別説明ページを避けてきたのか

ソフト公開を始めた当初、私はあえて「やらないこと」を決めました。それは、ソフトごとの個別説明ページを作らないことです。
理由は過去の経験にあります。学生時代に7年間で約50本のフリーソフトを公開していたのですが、その都度「紹介ページ」を作っていました。
するとどうなったか――記事執筆に時間を取られ、開発スピードが大幅に落ちたのです。
本来の目的は「ソフトを作ること」なのに、説明作業に時間を奪われては本末転倒。そこで今回の「フリーソフト100本公開チャレンジ」では、生成AIを活用しつつも「ペラページ戦略」を選びました。
- トップページに概要とダウンロードリンクだけを並べる
- 個別説明ページは作らない
- とにかく開発に集中する
このシンプルな方針で、スピード重視の量産を実現しました。
100本達成を機に戦略を転換した理由
しかし、100本を公開した時点で方針を改めました。理由は明快で、ペラページだけでは検索流入をほとんど得られないと気づいたからです。
検索流入を狙うには:
- 1ソフト1ページで狙ったキーワードを拾う
- タイトルタグ・見出しタグ(h2/h3)・本文にソフト名や機能名を盛り込む
- 関連ソフトへ内部リンクを張る
といったSEOの基本施策が不可欠です。
ペラページ戦略ではこれらを実施できず、結果として「作るだけでは誰にも見てもらえない」という課題に直面しました。
そこで100本公開を区切りに、一気に100本分の個別ページを作成することを決断。まとめて作成することで、効率的にページ作成・SEO対策ができるというメリットも得られました。
SEOを意識した個別説明ページの作り方

ステップ1:生成AIでたたき台を生成
まずは生成AIに任せて、100本分のソフト紹介文を一気に作成しました。章立てをある程度統一し、各ソフトに 概要・特徴・使い方 の章をそろえることで、文章の型を整えました。
ステップ2:人間がリライトして自然な文章に調整
AIの文章は便利ですが、以下の理由でそのままでは使えません。
- キーワード過多で不自然
- 実際と異なる説明が含まれる
- 開発者の意図が反映されていない
そこで、人間がチェックしながら 「自然に読める文章」 にリライトしました。
ステップ3:読みやすさを重視した工夫
修正時に意識したのは「SEOよりも読者」です。具体的には次の工夫をしました。
【読みやすさを重視】
SEOは生成AIに任せて、読者にとっての読みやすさを最優先にしました。
【ファーストビューを充実】
ページ冒頭で主要機能がわかるようにし、すぐダウンロードできる導線を配置しました。

【内部リンクを設置】
サイドバーに関連ソフト(例:百人一首なら「ゲーム関連」)を並べ、サイト内を回遊しやすくしました。

こうして、単なるSEO対策ページではなく、人間にとって使いやすい説明ページ を目指しました。
ステップ4:サイトマップを登録し、検索エンジンでインデックス化
検索エンジンに確実にインデックスされるよう、専用ツール 「サイトマップ自動生成くん」 を開発しました。ルートフォルダとURLを指定するだけで sitemap.xmlを生成できる仕組みを作りました。

生成したサイトマップは、Google Search ConsoleやBing Webmaster Toolsに早速登録しました。これにより、検索エンジンからの認識をスムーズにし、サイト全体の回遊性も向上しました。
公開1週間後のアクセス数とSEO効果

公開から1週間後時点では、アクセス数はわずかにしか増えていません。Googleへのインデックス登録も半分程度にとどまっており、本格的なSEO効果はこれからです。
それでも、次の点で大きな成果を感じています。
- 記事数が揃った(100本)
- 検索流入を拾うための土台ができた
- 時間とともにアクセスが伸びる期待が持てる
SEOは短期で結果が出るものではありません。だからこそ、今の積み重ねが未来のアクセスに直結すると考えています。
公開1か月後のアクセス数とSEO効果(2025/10/11追記)

公開から1か月が経過しました。個別説明ページの内容も、パンくずリストを付けたり、FAQを充実させたりするなど逐次強化していましたが、徐々に成果が見え始めてきました。
Googleのインデックス登録ページ数は 67/143ページ(47%) →87/156ページ(56%)へと微増しました。インデックスされなければ検索結果に表示されないため、依然として約半数のページが未登録となっており、今後の重要な改善課題です。


サイト全体のアクセス数も50/日アクセス →130/日アクセスへと着実に増加しました。これまでトップページとソフト紹介ページの2ページのみだった構成を、約100ページに拡充したことで、オーガニック検索流入(Organic Search)が7倍以上に増加したことが主な要因と考えられます。
他のフリーソフト紹介サイトと差別化するために工夫した点
他の紹介サイトとの差別化のために、開発者ならではの要素をページに盛り込みました。
・ソフトの特徴を詳しく解説
→ 主な特徴として、開発者だからこそ知っている機能や仕様を丁寧に説明しました。

・開発の経緯を必ず記載
→ ソフトを作った背景や意図を伝えることで、読み手に熱意を感じてもらえるようにしました。

・修正依頼フォームを設置
→ ユーザーから直接フィードバックを受け取れる仕組みも用意しました。

これにより、「ただのソフト紹介ページ」ではなく「開発者が語る価値ある記事」 に仕上げることができました。
最終的に落ち着いた章構成
今後も改善の余地はありますが、現時点では以下の章立てに落ち着きました。重要な情報を冒頭に配置し、最後まで読んでくれた方に向けて「開発の経緯」や「更新履歴」を加える流れです。
(ファーストビュー+ダウンロードリンク)
- ソフトの概要
- 主な特徴
- 使い方
- 活用シーン例
- よくある質問(FAQ)
- 開発の経緯(なぜこのソフトを作ったか?)
- 更新履歴
- 修正依頼
個別説明ページを作って得られた3つの気づき

- ソフトの機能整理につながる
曖昧だったソフトの仕様を文章化することで、開発者自身もソフトに対する理解が深まりました。 - ユーザー目線で考えられる
「誰が、どんな場面で使うのか」を明確に意識する習慣ができました。 - 説明することで価値が増す
ソフトを公開するだけでは不十分で、言葉で説明して初めて価値が伝わると実感しました。
まとめ:フリーソフト公開は「作る」+「説明」で価値が高まる
今回の取り組みで強く実感したのは、フリーソフトは「作る」だけでは不十分だということです。
- 個別ページを設けることでSEO対策になり、多くの人に使ってもらえる
- 開発者自身のソフトに対する理解が整理される
- ユーザーにわかりやすく価値を伝えられる
これからフリーソフトを公開しようと考えている方は、まず「ソフトを大量に作る」ことに注力し、その後で「きちんと説明する」ことを意識してみてください。
きっとアクセス数の増加やユーザー満足度の向上につながるはずです。
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